【田尻農園】
ナガノパープルは皮ごと食べられるのが最大の特徴です。しかし薄い皮は破れやすく、我が家でも6年間出荷ゼロという栽培の難しい品種です。皮ごと口に入れるものですから安全には特に気を使っています。
我が家の園地は小学校と隣接しており、リンゴの授業、ぶどうの授業のお手伝いをさせていただいています。栽培で特に気を使っているのは、農薬・土づくり・水についての3点です。
児童たちに分かりやすく伝えるのは大変ではありますが、「かぜ」を例えにしています。人が風邪をひくのと同じで、ぶどうもウイルスによって病気になります。ビニール被覆することで雨からの感染を圧倒的に減らすことができ、葉に農薬のマスクをして予防につとめています。おいしいぶどうに仕上げるために「葉」がたいへん重要ですので、健全な葉になるように手入れは欠かせません。
田尻農園は、西に北信五岳、東に北志賀高原、志賀高原と信州を代表する美しい山々に囲まれた自然豊かな産地。
つぎに土づくりについてです。土壌診断を定期的に実施することによって、土づくりに生かしています。この畑がどんな状態であるのかを把握して適切な施肥ができるようにするためです。樹体を健全に保つために有機肥料を与えるようにしています。幸いなことに母の実家が乳牛農家ですので良質な牛堆肥を確保できています。草を抜くとミミズが見られるフカフカな土を目指してます。
最後に水についてです。私はたいへん水について恵まれた条件でぶどう栽培しています。水資源の環境保全を地区をあげて積極的に取り組んでいるからです。梅雨時期前に水路の整備・保全を年2回実施しています。この農業用水は志賀高原から流れる夜間瀬川を源流とし、昨年はカジカや絶滅危惧種のアカザも捕まえ(水止めのため一時避難)たり、夏の夜にはホタルが舞っているのが自慢のひとつです。
「これからも、地域とともに水資源・環境の保全に参加をし、次世代にこの豊かな自然環境の中でできる、農業の素晴らしさを伝えていけたらと思う、今日この頃です。」と語る田尻さん。
信州の陽射しをたっぷりと!園内はぶどうのために明るく管理している。
10月の収穫風景。大粒のピオーネ。
5年生へのぶどうの授業風景。未来の担い手達も興味津々!
春には目で楽しみ、秋には口で楽しむ。そんな自然豊かな信州。
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